買掛は、売掛と同様に考えれば良いのですが、大きな違いとしては、支払を行い買掛金を消し込むことです。一般的に支払は、実際の振込日の数日前に行います。買掛金の消し込みは、実際に支払った日に消滅します。つまり、支払操作を行った日と買掛金が消滅する日にタイムラグがあり、支払操作を行ったことを記録しておき、二重振込等の間違いを起こさないようにシステムでロジックを組む必要があるのです。
そもそも、買掛金とは、「掛け取引によって、商品サービスを購入した代金を支払う義務(およびその金額)」を言います。
クラウド型販売管理としてロジックを考えると、以下のようになります。
「商品サービスを購入」は、仕入の商品サービスが納品された、または検収した日に、仕入金額を買掛金にプラスします。
「代金を支払う義務」が消滅するのは、支払った日に、仕入金額を買掛金からマイナスします。
単純なロジックではありますが、この買掛金のプラスとマイナスの間には、請求書を受け取る、請求金額を確認する、支払操作をするという業務があります。これらの業務が煩雑な作業になっているのです。
まず、請求書を受け取り、請求金を確認するという業務では、仕入をした代金をいつ支払うのか?が問題になります。例えば、仕入を行った月の翌々月末払いのケースです。この場合は、今月末日に支払うのは、前々月の仕入金額の合計になります。この金額には、前月の仕入は含みません。でも、買掛金としての今現在の残高は前月分も含まれますので、注意が必要です。
これを管理するために、支払期日が必要になるのです。商品サービスを仕入れ、または検収した日を基準に、翌々月末など仕入先毎に異なる支払サイトに従って、支払期日を算出するのです。こうしておくことで、今月に支払いするべき金額を支払期日をもとに合計することができるのです。
仕入先から受領した請求書が、クラウド型販売管理やクラウド会計で計算した支払するべき金額と一致することで、請求書の確認できるようになるのです。
そして、次は支払です。クラウド会計を利用すると、支払期日で合計した金額をもとに、銀行振込ファイル(総合振込ファイル)を作成してくれます。これをオンラインバンキングで振込ファイルをアップロードすることで支払操作が完了します。しかし、注意が必要です。
オンラインバンキングで振込ファイルをアップロードした後、実際に振込みされるのは、数日後です。では、買掛金はいつ消し込むべきでしょうか?という疑問がでてきます。
- (1)クラウド会計で振込ファイルを出力したタイミング
- (2)実際に振込が完了した後の銀行明細をクラウド会計に取込んだタイミング
(1)では、未来の振込予定日に支払したことにして、買掛金を消し込むことになります。もし、振込が失敗したらどうなるのか?と懸念されます。(実際は手補正になります。)
(2)は、振込した事実に基づき買掛金を消し込みますので、振込み失敗の場合も対応が可能なのですが、(2)のタイミングまで買掛金が残っているので、振込ファイルを誤って二重作成してしまうことが懸念されます。この場合は、特に承認申請フローなどの業務ルールをきちんと作成しておく必要があります。
(1)と(2)は、利便性や業務フローの構築など、一長一短があります。どちらのケースでシステム化を行うかは、自社の業務レベルに合わせて検討されることをお勧め致します。
なお、クラウド会計の会計freeeでは、(1)と(2)のどちらでも対応が可能です。